製薬各社の対応 人材の確保
製薬業界では、製造分野の人材が不足しているという指摘がありました。
そこで2020年卒から2023年卒の薬学部生の就職実績を調べました。すると生産管理職や品質管理職の充実に努力している様子がみえてきました。
MRの採用
MR(医薬情報担当者)は、2020年の214人から2020年の158人、2023年の150人と少しづつ減少しています。
業界誌のデータを参考にすると、2023年の新卒MRは478名のデータがあります。ただし、報告があった会社のデーターです。例えば、アストラゼネカ、MSD、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、ファイザー、ノボ・ノルディスク、GSK、大正製薬など各社の回答がありません。そのため、MR職は少なくみても業界全体で600名程度の採用があったと思われます。
そのうち薬学部生は、薬学教育協議会の資料では162名。薬系進学のアンケートで172名(内大学院修了者21名)です。新卒MRの25%程度が薬学部出身者と推測できます。
製造分野のスペシャリスト 生産管理職・品質管理職
GMP (生産管理で、医薬品の製造工程で定める基準)の業務を担当する、生産管理職、品質管理職の採用を各社が進めているようです。
「薬系進学のアンケート」で学術職・生産管理職・品質管理職についた学部出身者は、2020年が87名、2022年が78名、そして2023年は206名と急増しています。これとは別に2023年は、大学院修了者の安全性管理職13名、学術職63名が加わります。薬学で学んだ知識が活かせる分野です。
さらに化学系企業でも医薬品を生産する会社の各職採用があり、安全性や信頼性の部門に薬学部生が進出していることがわかります。
製薬各社が生産管理職、品質管理職の採用に注力していることを証明しているのではないでしょうか。
なお、設置者別(国公私立大学)の就職実績をyakugaku-u.jpの会員限定記事に掲載しました。また、薬学教育協議会のデータを引用した資料も合わせて掲載していますので、参考にしてください。