一部の製薬メーカーの不祥事から後発医薬品約9000品目のうち3000品目について限定出荷になっています。調剤薬局の棚は空きが目立ち、毎朝発注しても医薬品が入ってこない状態です。
不祥事を発端に各社は自主点検を求められ、明らかになった改善点の修正に時間を取られているといいます。
もちろん、不祥事を起こしたメーカーに対する業務停止と業務の改善命令で製造ラインが停止。そのため多くの医薬品が供給されなくなりました。
各社は生産調整しており、生産が滞っている製品と同成分のお薬を生産する会社に発注してもすぐには対応できません。
ジェネリックメーカーが、同じ生産ラインで複数の医薬品を製造しているためです。生産調整は各社同じですから、ドミノ倒し状態になっているのではないでしょうか。
インフルエンザに関するお薬も足りません。
咳止めや痰切りなどのお薬です。インフルエンザに関するお薬は、前年の使用実績から生産量が出されます。コロナ禍でインフルエンザの流行がなかったため、咳止めや痰切りのお薬は生産量が少ないといわれます。
政府は、製薬会社に対して増産を要請していますが、解消には時間がかかりそうです。
調剤薬局では、近隣の病院に医薬品の在庫状況を日々伝えて、処方に役立ててもらっています。
処方せんに記載されたお薬の在庫がなく、他社の同成分のお薬を調剤したケースでは、いつもと違う名称と包装から患者さんがお薬を服用しなかったという事例も生じています。
在庫状況を説明して患者さんに納得してもらい、服用してもらうことも服薬指導の一貫ではないでしょうか。お薬を飲まなかったために病状が変化するという懸念もあります。
まだまだ薬不足の状態が続くといわれます。
お薬を製造する製薬会社、病院、調剤薬局、ドラッグストアで薬学部出身者が医療人として患者さんのために頑張っています。