5.薬科学科は研究者の入口です。 実現には大学院進学も視野に入れます。

薬科学科は研究者の入口

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)が世界中に蔓延し、一時期は医療用マスクやガウンの不足が毎日のように伝えられました。
 これらニュースと並行して、治療に必要なワクチンの開発、治療薬の研究・開発、既存薬の適用拡大も伝えられました。
 新しい疾患や治療薬がない難病、患者が少なく研究が進まない稀少疾患など研究対象はつきません。すでに医薬品があっても、より効果が高めたり副作用が少ないなどの特徴を出す新薬研究もあります。
 4年制の薬科学科は、そのような研究者・開発者につながる入口です。

研究者やアカデミックの道を進むなら 大学院進学を視野に

 大学院大学の薬学部は、学部と大学院の一貫教育と考えられています。4年制学科のほとんどの学生が大学院に進学します。
 将来の目的により修士課程修了時に就職するか、博士課程まで進むかを考えることになります。例えば、大学に残って助教や教授をめざすならアカデミックなコースを進むことになります。

研究職をめざすなら 最低でも修士課程修了

 製薬企業や食品・化学・化粧品などの業界の研究職に関する採用条件は、大学院修士課程修了以上です。中には博士課程修了で、取得しているTOEICの点数を求める企業もあります。
 修士課程出身者を受け入れる会社では、研究者に加え臨床開発職や信頼性保証職、品質管理職などに職種が広がります。
 大規模製薬企業の研究職採用は、大学院博士課程修了者が中心になっているようです。

製薬企業の研究者をめざすなら 大学院博士課程へ進学も視野に

 製薬会社の研究者採用では、専門分野・領域が評価されます。採用ニーズが高い領域でも製薬会社の研究職採用は減少しました。採用にあたっては、研究業績やポテンシャルを併せもつ博士課程修了者を評価しています。
 製薬企業は、新薬創出に苦労しています。大学の研究室には高度な知的財産が眠っており、共同研究したり大学教授を在職のまま雇用する会社が現れました。
 大学で行われている研究は、世界に通じる高度な研究が存在しています。

大学院薬学研究科の研究領域

 以下で示すものは薬学で行われる主な研究領域です。各研究室は、独自性がある成果を求めて研究活動を行なっています。
○有機合成
 新しい化合物を創り出す研究、反応法を開
発する領域です。
○薬理学
 化合物が生体にどう作用するか、反応系の
確立などの研究を行います。
○製剤学
 化合物を錠剤にしたり、水剤、粉剤にするなどの製剤。また安定性を高めたり、薬物を効かせたい部位に届けるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)などの研究があります。
○化学系領域
 有機合成化学、薬物製造化学、天然医薬品化学、漢方薬物学など
○物理学系領域
 分析化学、物理化学など
○生物学系領域
 生化学、生物学、微生物学、免疫学など
○衛生系領域
 衛生化学、公衆衛生学など
○医療系領域
 臨床薬理学、病態生理学など
○情報科学系領域
 医薬情報学、社会薬学、医薬経済など

    PAGE TOP
    タイトルとURLをコピーしました