⚪︎#2 薬が足りない

古いお薬は改定のたぴに薬価が削られてきた

 医薬品の中でも手術に欠かせない麻酔薬は、作れば赤字になるお薬が多いといいます。
例えば全身麻酔薬「アネスタ」の薬価は2.5円/gです。吸入麻酔剤の「イソフルラン」は23.8円/ml。
 改定のたびに薬価が引下げられますから、古いお薬ほど利益が縮小していく構造です。
 財務省が国民医療費抑制のために、厚生労働省に薬価引き下げを指示。製薬企業の利益を失わせます。

薬が足りない状況はもうすぐ3年になるそうです

 ジェネリック医薬品の不祥事から始まった供給不足ですが、せき止めや去痰薬、解熱鎮痛剤などよく使われる薬に広がりました。
 製薬メーカーも薬価が10円以下のお薬は、作れば赤字になりかねず増産要請に応えにくいのです。医療の現場では、長期収載品は副作用や相互作用などの情報が豊富にあり、安心して使えるお薬です。
 財務省が国民医療費抑制のために、厚生労働省に薬価引き下げを指示。医療行政の失策を発端にした薬価の引き下げ。何もしなくても薬価が削られるため製薬企業は利益を失っていきます。
 薬不足の責任は、財務省・厚生労働省の政策にあるようです。

なぜ薬が足りないのか

 1回目の「薬が足りない」にジェネリックメーカーの不祥事。行政処分を受けた会社がドミノ倒し状態になって生産調整ができなくなたことなどを紹介しました。
 12月6日の報道ステーションでは「なぜ薬が足りないのか」を特集してくれました。
 メインテーマは「薬価」だと思います。お薬が医薬メーカーから医薬卸の会社に届くのは月1回の配給。それを各薬局に配分するといいます。調剤薬局の在庫が底をつき、足りなくなるのは当然でしょう。
 製造現場では、原料調合の温度や時間、洗浄などを管理し、化学的な検証、確認、記録を担当するGMPのスタッフが足りないといいます。
 「医薬品の品質管理に関わる基準に関する省令(GQP/Good Quality Practice)」に準拠した品質管理。
 品質管理職は、原材料が工場に搬入された時、製品として出荷されるときに試験・分析して品質を確認します。製造手順が守られていなければ製品として流通させることができません。
 製造現場の技術者が足りないことも影響しているといいます。

今回不足している薬(錠剤)の薬価

 長期収載品は、改定のたびに薬価が引き下げられるため、古いお薬ほど利益が取れません。
 ジェネリック医薬品の不祥事から始まった供給不足ですが、せき止めや去痰薬、解熱鎮痛剤などよく使われる薬まで薬不足が広がりました。
 製薬メーカーも薬価が10円以下のお薬は、作れば赤字になりかねず増産要請に応えにくいのです。
●咳止め薬(錠剤)
メジコン(デキストロメトルファン) 5.7円/錠
アスベリン(チペピジン) 9.8円/錠
アストミン錠10mg 5.7円/錠
レスプレン 5.9円/錠
フスコデ配合錠 5.7円/錠
カフコデ配合錠 5.9円/錠
コデインリン酸塩 10.1円/錠
●去痰錠(痰切り薬)
アンブロキソール塩酸塩徐放OD錠45mg「サワイ」 14.4円/錠
カルボシステイン錠500mg「トーワ」 7.9円/錠
クリアナール錠200mg 10.1円/錠
ムコダイン錠500mg 10.3円/錠
フスタゾール 5.9円 錠 5.9円/錠、
その他

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