⚪︎#4 薬が足りない

薬局・薬剤師の頑張り

 薬剤師は、投薬を通じて患者さんの健康状態を確認し、副作用や相互作用の有無をチェック、服薬指導を行います。薬剤師にとって患者さんに薬を提供できないことは心苦しいことです。
 薬局を扱うニュースでは、がらんとした調剤棚が映り、マンツーマンの薬局では毎朝、在庫状況を診療所に報告するのが日課になっています。
 患者側もお薬を求めて何軒も調剤薬局を回ってやっと入手したというお母さん。子供の健康のため一生懸命です。
 日本薬剤師会の調査では、入手しにくい医薬品は後発薬が平均129品目(22%)、先発薬が平均108品目(14%)。去痰薬やせき止め、解熱鎮痛薬、抗菌薬など幅広いお薬に広がっています。中には、錠剤を粉砕して粉剤にしているという薬剤師さんもいると聞きます。

命を繋ぐお薬も不足状態

 一方、命を繋ぐため毎日お薬を服用しなければならない患者さんがいます。
 薬不足は、心不全や抗アレルギー薬、高圧薬など命に関わる薬にも影響を与えています。
 同成分であればどの薬も同じといわれますが、添加物の違いから体質によって合う合わない薬があり、やっと自分の体質に合った薬を見つけたのに手に入らないというケースがあるのです。
 日本医師会が薬不足について調査を行いました。6773の医療機関から回答があり、74%にあたる4184施設が外部の薬局から薬が不足しているとの連絡を受けたといいます。その多くが分業率の高い病院でした。

責任を取らないのが行政

 小林化工の医療事故が生じるまでは、ジェネリック(GE)メーカーのGMPに対する検査もせず放置した行政には大きな責任があります。創薬して患者さんに貢献したのは先発メーカーです。行政は、後発薬のシェアを高め、使用率を80%まで高めました。その結果、先発メーカーの収益を悪化させたのです。
 行政が指示すれば失敗するのですから、現場にお願いする方が良さそうですね。
 行政の各担当者はジェネラリストであり、様々な職種を経験するため3年で異動します。1年目は仕事を覚え、2年目は仕事を進め、3年目は引き継ぎ。
 何か問題があったり、政策を通すため大手製薬会社の社長を呼びつけて指導する入庁1年目の職員もいます。そんな担当者に十分な経験や能力、指導力があるとは思えません。現場の知恵を生かさなければお薬不足は解消しそうにないですね。

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