3. 配属の店舗によって忙しさが違う?

 第108回国試で合格した人がいました。周りで見ていた私たちも合格発表までは緊張したものです。
 国試予備校のお世話で大手の薬局に就職し、地方の店舗に配属になりました。地方のクリニックのマンツーマン薬局なので処方箋が少なくて毎日が暇だといいます。多少忙しいほうがいいようです。
 大手の薬局でも地方の店舗は同じような店舗があるでしょう。ある薬局は吸収合併で規模を拡大してきました。
 吸収合併では、吸収された側にも思いがあります。これまで続けてきた薬局の運営に自負があるからです。
 吸収した会社の教育研修部が薬剤師研修を計画しました。その計画が発表されると、吸収される側の薬剤師さんは「私たちがやってきたことが否定されている」と感じたようです。
 ある時、その店舗の業務がたてこみ、本社から数名の薬剤師さんが応援に入りました。
 応援の薬剤師さんがテキパキと業務を進め、「このケースでは、この方が効率がいいですよ」といったアドバイスをします。するとその姿をみた薬剤師さんたちは、教育研修の重要性を理解して積極的に参加するようになったいいます。

 病院や薬局の調剤棚にはいくつかの形態があります。
 薬棚は写真のようなタイプが主流でしょう。

A 引出しタイプ
B オープン棚 大容量A
C オープン棚 大容量B
D オープン棚 棚可動式
Aは、病院から保険薬局まで幅広く使われています。
Bは多くはありませんが病院で見かけるタイプです。
Cは病院でよく見るタイプ。この写真のケースでは、医薬品と一緒にお薬の添付文書などの資料が棚の右側に置かれています。情報が欲しい時すぐに見られるというメリットがあります。病院の中には、医薬品の構造図を入れているところもありました。複数のお薬が処方されている時、不安があれば構造図から副作用の可能性を知ることができるといいます。
Dは、薬棚をボックスで構成するタイプ。必要に応じて配置を変更できます。
先ほどのA薬局は、Dタイプのオリジナル版を使用しています。禁忌のお薬には赤いボックス版を使います。また同成分のお薬では棚の位置を考慮します。容量の小さいお薬を棚の上の方に、反対に容量が大きいお薬を下の方に配置。もし容量の小さいお薬が落ちて容量の高い棚に入っても患者さんの健康被害が防止できるという考えです。このアイデアは、現場の薬剤師さんの提案だったそうです。
A薬局では、そのようなノウハウなど、充実した教育研修が行われているのでしょう。

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