病院やクリニックを受診しことがある人は、「待つ」イメージがあると思います。受診後の会計やお薬の受取りにも時間がかかることがあります。
薬局で待つことも多いでしょう。調剤業務は、受付で持ち込まれた処方箋に併用禁忌などの問題がないかを確認。最近では機械化が進んでいます。
処方箋に問題があれば発行した医師に「疑義照会」が行われます。相互作用などを見逃すと薬剤師の責任ですから慎重になります。
続いてピッキング(お薬を取り揃えること)や処方監査があります。ピッキングした薬剤師が鑑別すると間違いに気づかないことがあることから、別の薬剤師が処方監査を行います。最近では、この作業も機械化が進み薬剤師の仕事をサポートすると同時に安全性を高め、調剤過誤の防止に役立っています。
入院施設を持つ病院は、午前中に外来患者の診察と治療を行い、午後は回診や手術にあてます。
午前の短い時間に患者さんが集中するため診察は短時間になりがちです。診察後、医師はカルテへの記載などがあり、会計までに時間がかかります。
一方、診療が終わった患者さんがそのまま薬局にこられると薬局も混雑します。
病院近くの薬局は、午前中の3-4時間が調剤に追われる忙しい時間です。午後は、かかりつけ患者へのフォローアップ、在宅医療や翌日の準備作業という薬局が多いようです。
調剤業務では、忙しさから誤って違うお薬をピッキングすることが考えられます。ある病院は、誤ってピッキングしたお薬を、そのまま調剤棚に戻すことを禁じています。
調剤する薬剤師さんは、神経を尖らせて仕事をしています。そばで見ていて怖いくらいです。そんな時にお薬を棚に戻すと、間違った棚に戻すかもしれません。
本来戻すべき棚に戻らないことを想定しているのです。
この病院では、透明の容器が活躍。間違えてピッキングしたお薬は一旦このカップに入れます。仕事が一段落してから、二人の薬剤師さんがダブルチェックで棚に戻します。調剤過誤防止の一つ。薬剤師さんのアイデアから実現しています。
この病院では、間違えてピッキングしたお薬の期限が近い時、シールを貼って注意を促すようにしています。