病院薬剤師不足、期待される「病院薬剤師」

 病院薬剤師不足に関して、厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」が活発な議論を展開しています。第1回検討会が実施されたのは、2020年7月10日です。

 2022年7月には、日本病院会の「病院薬剤師確保に関するアンケート調査」が公表されています。

https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1679296011.pdf

 このデータは、グラフを多用するなど視覚的にもわかりやすい紹介です。

 ここでも、薬剤師の確保で困っていることとして、「調剤薬局のほうが給与が良い」という病院、「薬剤師の業務に対する給与が見合っていない」と訴える病院が紹介されています。

 調査を行った令和4年(2022年)のデータですから最新情報といえます。

 そこで回答があった706施設のうち74.9%が「薬剤師は充足していない」と答えています。一般病床547施設の79.3%が薬剤師が足りないと答えています。しかも500床以上の施設の91.8%が足りないと主張しています。大規模病院ほど病院薬剤師不足になっていることがわかります。

 理想とする薬剤師数の回答理由(複数回答可)の項目では、トップが「薬剤業務の質の向上のため(81.7%)」でした。これは薬剤部の意見が多かったのではと想像できます。

2番目に多かったのが「診療部門、看護部門等の他部門からの求めに応じるため(71.2%)」です。薬剤師の働きが他部門でも評価・期待されていることがわかります。

 薬剤師不足を語るとき「薬剤師の偏在」というキーワードを使っていますが、それには計算方法があります。

 外部からはわからない数値ですので発表されるデータをそのまま使用させていただいています。

 参考までに計算方法は、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長が発した「薬剤師確保計画ガイドラインについて」の9ページで紹介されています。

https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1686540806.pdf

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