#1 病院薬剤師不足の要因を考える

薬学部生だけでなく、病院側も給与が低いと考えています。

 厚生労働省が実施する「第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の資料を見ると、薬剤師の偏在が生じて病院薬剤師が全国的に不足しているといいます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32327.html
 薬学部を目指す多くの受験生は、卒業後の進路に「病院薬剤師」をイメージ。「病院薬剤師」になることを将来の目標にする志願者が多いのです。
 それなのに病院薬剤師への就職者が減少傾向にあります。
 いくつか要因があるようですが、その一つが収入です。
 薬学部生は、「病院薬剤師の給与」が低いと考えています。
 採用する病院側も「調剤薬局やドラッグストアと比較して給与が低い」と認識しています。
 初任給で比較すると、確かに大きな差が存在しており、奨学金の返還を考えると収入は高い方がいいに決まっています。

病院薬剤師の生涯収入は、2億3000万円+各種手当など

 病院の募集要項をみると昇給・賞与、各種手当の情報を明示する施設が多いようです。
 昇給2%、賞与は4.2カ月から4.4カ月の病院が多いと思います。これを初任給から積算してみると、生涯収入が2億3千万円から2億4千万円になります。
 これに支給される各種手当が加わります。手当の内容は個人により異なるためここでは算出できません。将来のベースアップを考えると収入が低いとはいえません。
 長く勤務して安定的な生活を送りたい人にオススメの職場です。
 検討会の資料では、薬局の収入と比較すると65歳までの生涯収入では、病院薬剤師の方が512万円高いとしています。
 初任給については、公務員や国立病院機構の給与など業態による違いも念頭においておくといいでしょう。例えば地方公務員の給与は、給料表における「級」と「号給」の組み合わせで決まり、薬剤師は医療職の給与表が用いられます。
 薬剤師不足の状態にあることは、病院を目指すという皆さんにはいいニュースです。

就職活動のタイミングが大きな要因では?

 病院の採用担当者は、「私たちが採用活動を始める頃には、学生たちが薬局やドラッグストアから内定を受けており採用活動に影響がある」といいます。
 これについては、またご紹介します。

    PAGE TOP
    タイトルとURLをコピーしました