製薬業界の方向性は「バイオ医薬品」

医薬産業政策研究所(政策研)の資料によると、2020年の世界の医薬品市場売上高上位の100品目のうち化学合成医薬品が55品目(前年55品目)。バイオ医薬品が45品目(前年45品目)だったそうです。バイオ医薬品の売上高は2,301億ドル。上位品目売上高の53%を占めています。医薬業界はバイオ医薬品が躍進を続けています。
 抗体医薬といえば中外製薬が筆頭に挙げられます。2020年は血友病治療薬(ヘムライプラ)などの自社品の伸長が業績を支えました。2021年もコロナ関連の治療薬としても抗体カクテル療法「ロナプリーブ」が承認を受けるなど業績好調です。

核酸医薬品を有機合成でつくる

 世界の製薬企業で核酸医薬の研究が本格化しています。中でもsiRNA薬とアンチセンス薬が先行しているようです。
 IONIS Pharmaceuticals社は、神経系、がん、心血管系などについて臨床開発を進めています。
 日本では、2019年9月に日本新薬がアンチセンス核酸医薬「ビルトラルセン」を申請しました。国立精神・神経センターと共同でデュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象に創生した核酸医薬です。アンチセンス薬は、細胞内の遺伝子を標的にして治療するため有望な治療薬とみられています。
 核酸医薬は、化学合成で作ることもできるため、安定的な供給、エコで経済的な医薬品になると考えられます。
 創薬分野は、各分野が凌ぎを削っています。

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