薬剤師の職能を活かす【メディカル職】

市販後調査から有害事象監視へ

 信頼性保証職、安全性情報管理職、医薬安全性職などを採用する企業があります。
 医療・医学の専門知識をベースに、医薬安全性情報をまとめます。行政への有害情報の報告、医療機関に対する情報公開、医薬品の添付文書改定なども仕事です。

●ファーマコビジランス(GVP)
 臨床から回収したデータをもとに、市販後医薬品の有害事象を監視・評価します。
 臨床薬学をベースにした「薬剤疫学」が専門領域。海外のドクターと医療や医薬についてミーティングすることもあり英語力は不可欠です。

医学・薬学のスペシャリストリエゾン職・メディカル職

 ファーマコビジランスよりも高度な医療情報を扱うリエゾン部門を設置する会社があります。
 メディカルアフェアーズ(MA)やMSL(Medical science liaison)です。
 その業務は、KOL(キーオピニオンリーダー/専門医師)や薬剤師への医学・学術情報の提供。反対に臨床や学会から最新の医学情報を収集し、社内の関連部署と共有します。エビデンス構築や高度な専門知識を扱い、医学・薬学の知識が活かせる仕事です。
 薬学など医療の知識が生きる仕事ですが、医師と対等に情報交換できる実力が必要です。そのため新卒で第一線リエゾン職になるのは難しいといいます。採用段階では、メディカル総合職の名称で採用して5年程度MR職を経験、またはMR経験5年以上の社員から登用するケースがあると言います。
 採用条件から、PhDをもつ医師を採用条件とする会社、中枢系の研究経験者を募集するなどがあり、その会社の研究内容を垣間みることができます。

メディカルアフェアーズメディカル・サイエンス・リエゾン

 日本国内では、医師主導の臨床研究で生じた不祥事がリエゾンの部門を設置するきっかけになりました。
 臨床研究の支援などに当たるのが医学・薬学のスペシャリストMAやMSLです。KOL(キーオピニオンリーダー/専門医師)や医薬研究者に対する臨床研究や医学・学術情報の提供などを行います。
 医師から臨床や学会情報、最新の医学情報を収集し、社内の関連部署とも共有します。エビデンス構築や高度な専門知識を扱う新しい職種です。

メディカルアフェアーズやMSLの仕事

●新薬に関する業務
○学会対応(イベント開催)・論文発表
○最新医学情報の提供と収集
○治験薬の開発支援
○販促ツールの制作
 
●既存薬に関する業務
○エビデンスの構築
○医師主導の臨床研究の支援
○社内で最新医学情報の共有
○患者情報の収集
 (どのような患者を対象に投薬しているのか?、薬効を最大限に引き出す投与法は?、安全性は?、など)

●メディカル職と薬剤師
 メディカル職を置く製薬会社で最も人員が多い300人という会社があります。70名のメディカル職を抱える会社の内訳は、MSLが15名、薬剤師免許取得者が25名となっており、薬剤師の職能が活かせる職種のようです。

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