編集部が制作する資料は、資料の正確性を高めるため「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の資料を参考にしています。主に最新のデータである第13回の資料です。
これより1年前の令和4年(2022年)3月にまとめた「薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」というものがあります。
これは623ページもあるすごい資料。興味深いデータで構成されていますが、あまりにも詳細なので皆さんへの資料提供には用いていません。
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000963766.pdf
興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください。
「薬剤師不足の状況が続いている期間」を問う項目では、
二次医療圏(一般の入院に係る医療を提供)の人口50万人以上の病院の67.9%が3年以上と答えています。そして、「薬剤師不足により生じている弊害」では、
- 病棟業務に支障がある(70.8%)、
- 薬剤師の時間外勤務が増えている(55.7%)、
- チーム医療の参画に支障がある(54.7%)
となっています。
病院薬剤師不足について編集部が興味をもったのは、本当に薬学部生は病院薬剤師に興味が薄いのかという疑問でした。
実務実習を体験して、「病院薬剤師は合わないと感じた」、「多くの患者さんの役に立てる薬局に興味が湧いた」という意見を聞くことがあります。
それは体験や学んだ知識をもとに、自分の興味や性格、キャリアプランから真剣に判断したものでしょう。
多くの学生が病院薬剤師のやり甲斐を感じて、病院薬剤師に興味を深めていると思います。それぞれの職場や仕事を理解して進路を選択しているからこそ、約20%の学生が病院に就職。エントリーはさらに多くの学生が行ったと思われます。
データは、薬系進学が実施したアンケートによるものです。
https://yakkei.jp/contents/links/yakugaku-u/Byoinshushokusuii.pdf
2021年の病院就職者は1811人(全体)で少し減少幅がありました。確認のため薬学教育協議会のデータを確認すると1823名となっており、少し誤差があったものの減少したことは間違いないようです。検討会をはじめ、各団体が公表する資料は頼りになります。