阪神・淡路大震災がきっかけで「DMAT」が誕生

 1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生。
 本サイトの「薬学部に関する様々な情報(大震災が緊急医療体制を育てる)」で神戸に赴いた東芝林間病院の薬剤師さんを紹介しました。当時は、災害派遣医療チームの概念はなく、専門的な訓練もありませんでした。
 阪神・淡路大震災の振り返りで、初期医療体制がしっかりしていれば助けられた多くの命があったと考えられました。その反省から、各行政機関、消防、警察、自衛隊と連携した医療行為の重要性が考えられました。
 厚生労働省は、2005年4月に「日本DMAT(災害派遣医療チーム)」を発足させます。
 日本DMATの詳細な内容は、下の 日本DMAT 活動要領をご覧ください。
●日本DMAT 活動要領
http://www.dmat.jp/dmat/katsudoyoryo.pdf
 「DMAT」は、Disaster Medical Assistance Team の頭文字をとったもので、災害派遣医療チームを指します。「日本DMAT」の他に「都道府県DMAT」もあります。

DMAT登録者になる

 病院では、DMATの登録者を専門薬剤師と同等に紹介するケースが多いようです。しかし、一般的にいわれる専門薬剤師とは少し異なります。
 DMAT登録者になるには、厚生労働省等が実施する「日本DMAT隊員養成研修」の修了が必要です。 
 「日本DMATは、厚生労働省が認めた 専門的な研修・訓練を受けた災害派遣医療チームである」と概要の冒頭で紹介しています。
 DMATには、定期的に研修・訓練があり、訓練に参加するときは職場(薬剤部)を留守にします。そのため他の薬剤師さんの協力が欠かせません。話を聞くと、DMAT隊員の薬剤師さんは、「専門的な研修・訓練」が周囲の薬剤師さんに負担をかけているのではと気にかけているようです。
 実は、DMATの登録よりも登録後の研修・訓練の方が大変なのです。
 DMAT隊員は、医師・看護師2名・業務調整員と薬剤師が5人でチームを構成し、医療職の垣根を超えた活動を行います。様々な災害を想定した訓練を繰り返し受けることで災害現場で役立つ知識を吸収していきます。
 DMAT登録と合わせて、感染制御専門薬剤師や感染制御認定薬剤師の専門薬剤師資格を取得していれば災害現場で役立つのではないでしょうか。
 皆さんの最終目的は、薬学部に入ることでしょうか。
 「一人でも多くの人の命を助ける」、「災害地で傷病者を救う」を目標に医療人を目指す皆さんが増えるといいですね。

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