6年制薬学科の特色
本学薬学部は、高度化する現代医療の担い手として、真に質の高い薬剤師や関連分野で薬学の専門家として活躍できる人材の養成を目的としています。本学は医療総合大学として、薬学教育の中でもチーム医療を深く学修することができ、充実した講義・実習、専門的なコミュニケーション教育を特徴として、高度な専門性を発揮して地域社会に貢献できる薬剤師を養成します。
本学の特徴は何より、医療総合大学という特質を生かしたチーム医療教育にあります。薬学部だけではなく他の2学部の学生も1年次に「チーム医療論」、さらに薬学部の学生は6年次、他学部の学生は4年次に「チーム医療演習」があり、全学部の学生が一堂に会してスモールグループディスカッションを行い、それぞれの専門分野の視点から症例を検討し、チーム医療の実践力を高めます。3年次には他学部の教員による専門教育が行われます。「放射線検査医学総論」、「臨床検査医学総論」の科目があり、放射線技術や臨床検査などを学び、臨床能力を強化しています。
医療者には高いコミュニケーション力が求められます。本学の特色ある科目「コミュニケーション・ワークショップ演習」は、わが国を代表する劇団「文学座」と連携し演劇手法をとり入れたユニークな内容になっています。また、本学周辺地域にはポルトガル語を話す外国人が少なくありません。「外国人に安心・安全な医療を提供するため」地域医療教育の一環としてポルトガル語を必修科目としています。
病院や薬局の実務実習について
特色や取り組み
本学は、4・5年生での薬学実務実習を、薬剤師という職業の役割や意義を体験できる貴重な機会として捉えています。地方に位置する医療系大学である本学は、地域の医療系職能団体や医療施設と地域医療を通して良好な連携関係にあり、その強みを実務実習に生かし、地域医療において活躍できる薬剤師の輩出を目指しています。薬学実務実習が開始されてから10年以上が経過しました。全国にはいまだに薬剤師が足りない地域が数多く存在しています。本学薬学部は、地域医療において活躍できる薬剤師の育成を目指しています。
実務実習を行う 主な病院・診療所名
岐阜大学医学部附属病院、岐阜県総合医療センター、中部国際医療センター、羽島市民病院、大垣市民病院、高山赤十字病院、下呂温泉病院、名古屋第一赤十字病院、一宮市民病院、豊田刈谷総合病院、春日井市民病院、岡崎市民病院、豊橋市民病院、聖隷浜松病院、焼津市民病院 他 60カ所
実務実習を行う 主な保険薬局
調剤薬局大樹、ファースト調剤薬局、シンコー薬局、スマイル薬局、はぐろ薬局、スギ薬局、スギヤマ薬品、ココカラファイン薬局、キョーワ薬局、杏林堂薬局 他 120カ所
調整機構により実習先を確保
アドバンスト教育
本学のアドバンス教育は、薬局・病院実務実習の前後4・6年次に履修します。4年次には、地域サポート演習において地域にある薬局、ドラッグストア、医療行政の課題を見いだし、その解決への手段について考え、発表することで課題整理を行い、解決の手段の提案スキルを学びます。
また、地域在住の外国人居住者に対する課題を学生の視点で明確化し、その対応策を考えます。
さらに、医療コミュニケーションⅡでは、様々な事例シナリオによる模擬患者参加型学習を導入し、患者の視点に立ったより高度なコミュニケーションスキルを身に付けます。6年次には総合薬学特論Ⅳにおいて、薬局や病院実務実習で学んだ代表的な薬物治療の中から出てきた課題や問題点の対応について、最新の事例を示しながら講義を行います。さらに、臨床薬学演習や処方解析演習においては、科目別や項目別に学修してきた内容を複合的に理解するため、各臨床系専門分野に関する課題を提示してSGDで議論し、各疾患の処方実例に基づいて、患者の疾患の概論、薬効および副作用、処方の実際および服薬指導上の留意点を講義した後、SGDで議論します。
多職種連携教育の具体的な内容
本学の特色を生かして、保健科学部(臨床検査学科/放射線技術学科)、看護学部看護学科と合同で他職種連携教育を1・6年次に実施します。1年次には、医学概論及びチーム医療論において各医療系教員(医師・薬剤師・看護師・助産師・臨床検査技師・診療放射線技師)が医療を志す者の心得として必要な医学と医療の概要を、それぞれの職種から事例をあげて解説し、どのように貢献しているのかを学びます。これにより、学生は大学で身に付けなければならない知識・技術はもちろん、人の立場を考えることの重要性を理解して、社会における医療従事者の役割・倫理観を学びます。
また、他の学科の職務内容を知り、他の職種「チーム医療」の状況を理解するとともに、その重要性を学びます。6年次には、チーム医療演習において本学の特性を生かし薬学科、看護学科、臨床検査学科、放射線技術学科の学生が一堂に会し、学科の壁を越え提示症例についてSGDを行います。最後に、医師の教員から提示症例の病態や総合的な治療について解説し、薬剤師の教員からは最新の薬物治療について解説を行います。本科目では、医療現場におけるチーム医療で必要とされる薬剤師の資質とは何かを学修します。他学部の学生とそれぞれ違った視点で一緒に議論することにより、これまでに習得した知識を深め、身につくことが期待できます。
多職種連携演習を行う医療施設名
近隣の地域中核病院や地域医療に貢献している薬局と提携していく予定です。
薬剤師国家試験への取組み
薬剤師国家試験の全員合格をめざして、卒業までの6年間を通じて効率的な試験対策を進めます。習熟度別の補習講座や特別講義など、本学が高い合格率を誇ってきた他学科の医療系国家試験対策のノウハウを薬学部にも導入し、本学のベテラン教授陣による少人数の直接指導や補講の実施、最新鋭のクラウド型教育支援システムなどを最大限に活用しながら、薬剤師国家試験合格に導きます。6年次には直前対策として国家試験対策の講義や模擬試験などを実施し、自信を持って国家試験を受験できるよう、学生一人ひとりの個性に応じた対応を行います。また、医療現場で薬剤師として働いた経験を持つ多数の専任教員が、親身になって学生の皆さんに接し、将来薬剤師として働く夢の実現をサポートします。
卒業研究
特別研究(卒業研究)は、薬学研究に必要な技能を身に付け、問題解決能力の向上を図り、企画力やプレゼンテーション能力を高めることを目的としています。4年次に配属先の研究室において、研究テーマの設定や文献講読、情報収集、研究倫理に関する対応等を行います。5年次には、それらに基づく実験、研究を行い、6年次にまとめと研究発表を行います。
大学独自の奨学金制度
【薬学部奨学特待生制度】
成績かつ人物が特に優れていると認められる者へ、月額3万円を6年間(最大216万円)給付する
選考基準
薬学部奨学特待生選抜受験者から成績上位合格者10名
備考
総合型選抜合格者・学校推薦型選抜合格者も出願可能。
入学後、本学が定める資格休止事項に該当した場合には資格を休止する
【薬学部学費一部免除特待生制度】
対象の入試において定める学力基準を満たした場合、年間学費195万円のうち、119万円を最大6年間免除する
選考基準
一般選抜前期A(全学部2科目選択型・薬学部化学必須型)の試験において得点率70%以上
※得点率70%は目安です。
備考
選考基準は各年度の出題難易度や合格者平均点により変動の可能性有
1年毎に資格継続判定を実施
資格継続は各学年末における履修科目(選択科目含む)について、累計GPAが3.0以上であり、
1年間の履修科目(選択科目含む)の欠席時間数の合計が、全授業時間数の5%未満であること
地域のアパート・マンションのモデル家賃
●学生住居(ワンルーム・1K)の家賃は、平均で約3万円