九州医療科学大学(旧九州保健福祉大学) 

6年制薬学科の特色

 本学科は、「薬学の幅広い知識と技能を身につけ、豊かな人間性と高い倫理観を持ち、常に自己研鑽しながら、協調性を持って地域社会と地域医療に貢献する薬剤師を養成する。」という、理念を掲げています。その中でも、特に南九州を含む薬剤師が未だに不足している地域における医療や社会について学び、貢献できるような講義・演習を設置しております。特に地元宮崎においては、宮崎県薬剤師会、宮崎県病院薬剤師会、宮崎県庁から特別講師を招いた講義や、地元の文化や特色を学ぶ日向国地域体験学習など、ユニークなプログラムがあります。特に臨床薬学教育には力を入れており、患者シミュレータを用いたフィジカルアセスメント実習や救命救急のトレーニング、本物の医薬品や医療機器を使用した調剤実習、模擬患者を導入したコミュニケーション演習など、臨床現場で役に立つ知識・技能・態度を身につけることを目的とする実習プログラムを組んでいます。このフィジカルアセスメント教育を薬学で開始したのは本学が最初で、さらに工夫を加えてアップグレードしております。本学科の教育内容は薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に準拠し、漏れや偏りの無い教育を施すよう心掛けています。初年次にリメディアル教育を施しながら自然科学への興味を引き出し、低学年で学ぶ基礎薬学や、高学年で学ぶ高度な専門科目にスムーズに入っていけるよう工夫しています。また、薬学科内のロビー・ホールには自由に利用できる机・ホワイトボードが設置されており、学生は空き時間や放課後に自発的に学習やグループ討論を行い、互いの学力を向上させています。

病院や薬局の実務実習について

特色や取り組み

 可能な限り学生の希望する施設(病院)における実務実習ができるように配慮しています。基本的には学生の帰省先である実家から通える施設での実習となりますが(山口,福岡,大分,熊本,宮崎,鹿児島,沖縄県のみ)、実習施設への通学が困難な場合には、別途宿舎を手配しています。また、実習開始前に指導薬剤師と教員、実習生による面談を含めた説明会を実施して、実務実習に臨んでいます。2023年度は、5年生77名が宮崎県、鹿児島県、大分県、福岡県、熊本県および沖縄県(薬局73施設・病院62施設)において実習を行っています。実習開始である第Ⅰ期はコロナが第2類であったため、2023年度の訪問指導に関してはすべての実習施設にアンケートをとり、訪問指導またはオンライン面談希望の調査を行い面談を行いました。実習終了後は講座・研究室単位で実務実習報告会が開催され、実習の成果を教員や後輩学生に発表しています。この報告会についてはルーブリック表にて評価しています。

実務実習を行う・主な病院・診療所名

 調整機構により実習先を確保(宮崎大学医学部附属病院、宮崎県立宮崎病院、宮崎県立延岡病院など) 62カ所

実務実習を行う・主な保険薬局

 調整機構および各県薬剤師会により実習先を確保(延岡医薬分業支援センター、ファン薬局県立延岡病院前、北小路調剤薬局、さとかん薬局山月店、アイン薬局おおぬき店、丘の上薬局古城店、たかし薬局など) 73カ所

アドバンスト教育

 九州医療科学大学薬学部薬学科では、2005年度に薬物療法の有効性の確認や副作用の早期発見に必要となるバイタルサインやフィジカルアセスメントの技能を学ぶ実習を全国の薬学部に先駆けて導入しました。この実習では、独自に作成した様々な疾患シナリオをシミュレータで再現し、病態や薬物の投与によって変化する脈拍、血圧、心音、呼吸音、腸音などの聴取方法および得られた情報の評価について学びます。また、薬学科では多数のシミュレータを保有しているため、小人数のグループで時間をかけて学ぶことができます。さらに、本学科ではICTを導入した双方向型のインターネット教材など新しい教育的試みを導入しています。最近では、筋肉注射シミュレータを使用した皮下・筋肉注射体験や携帯型超音波エコーを使用した膀胱・肺炎ファントムの病態評価を行っています。また、ADME人形で体内の見えない薬をイメージで伝える実習を行っています。

多職種連携教育の具体的な内容

 1年生時の科目「薬学入門」「医療概論」等で、病院や調剤薬局から薬剤師を含めた医療分野の外部講師により多職種連携の実態を紹介していただき、その講義等を踏まえて、学生にコミュニケーションの能力や他職種との連携、思いやりなどの大切さについて考えてもらっています。また、1年次科目「医療・福祉連携講座」や「インターンシップ」では、他学部の学生と合同で医療や介護・福祉について学びます。

多職種連携演習を行う医療施設名

 5年生時の実務実習期間中に鹿児島大学病院をはじめ、それぞれの実習先(上記)で多職種連携の実態を体験しています。

薬剤師国家試験への取組み

 国家試験対策委員会を中心に、できるだけ低学年からのデータを多く集め、卒業時のデータと照らし合わせて解析することにより、様々な国家試験対策プログラムを作成できるよう、毎年改善を行っています。現在は、4年次のCBTに関する試験の得点率がそのままストレート卒業と国試合格に連結するため、3年生の後期試験終了後から、オンライン教材を利用したCBT対策の自己学習を始めてもらっています。一部の科目では、1年次からオンライン教材を使用しており、オンライン教材での自己学習量(復習に相当する)が多い学生は、CBTに関する試験での得点率がかなり高いという結果が得られております。CBTに関する試験の得点率が高い学生は、ストレート卒業率さらに国家試験の合格率も良いため、4年次の学習効率の改善にも力を注いでいます。6年次に開講される薬学総合演習では、科目毎に各教員が自分の専門領域の国家試験問題を解析し、重要事項に加え、頻出事項や出題予想問題などを中心に演習を行います。特に成績中下位者に対して、レベルアップ補講も行い、卒業率の向上に努めています。実際、平成15年4月の学科開設から令和6年3月卒業生(総数:1,788名)までの本学の累積薬剤師国家試験合格率は95.4%(合格者総数:1,706名)にのぼっています。しかし、さらに合格者数を増やし、ストレート合格率を上昇させるために、毎年改善方法を考えて実行しています。

卒業研究

 5~6年次に、配属された講座・研究室において卒業研究(特別研究Ⅰ・Ⅱ)を行います。指導教員は、学生個人個人の能力や適性、興味に合わせてテーマを提示し、できるだけ学生に選択してもらいます。研究テーマは、各講座・研究室の教員の専門分野に関する内容になります。物理系・化学系・生薬系・細胞生物学系、分子生物学系、薬物動体系、病態薬物治療系、薬理系、臨床系など多岐にわたります。特別研究では、未来の薬剤師に必要となる考える力を養ってもらえるように指導します。6年次の秋に、学生全員が研究成果をまとめて、卒業論文を作成し、研究内容の発表を行います。卒業研究を通して、問題発見・解決能力、情報収集能力、英文読解能力、論理的思考能力、文章構成力、プレゼンテーション能力などの養成を行います。これらの能力が磨かれると、医療情報の収集・解析、同僚や他の医療職とのディスカッション、服薬指導など、様々な薬剤師業務を遂行する上で頼もしい武器となるはずです。

地域のアパート・マンションのモデル家賃

 学生用ワンルームアパートの相場は25,000円~50,000円です。

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